貸会議室ビジネスという可能性について

不動産ビジネスの中でもあまり注目されてこなかった貸会議室という分野が今後伸びてくる可能性がありそうです。
今から半年ほど前、不動産ファンドやREITから大規模なビルの運営を多数受託している、大阪のPM会社にお伺いしたときのことです。
その会社が運営するビルの1フロアが貸会議室になっており、
「利用する会社ってあるんですか?」
と質問すると、
「それが稼働率が良く、けっこう利益がでるんですよ」
と教えられました。
どうやら、大きな不動産会社においてもその可能性を伸ばしたいと考えているようで、大手としては珍しく住友不動産がこの分野をビジネスとして伸ばす方向で動き始めたようです。
ビルオーナーの立場で考えると、空室を少しでも稼動させたいという要望に応えることができます。
借りる企業側にとっては、社内に会議室を取り、賃貸スペースを広く契約するよりも、必要なときだけ、大きな会議室、イベントホールを借りる方が経費を抑えることができます。
企業経営において、コストをいかに下げ、無駄な資産、遊休資産を持たず、稼動させていくかということを細かく見つめなおす時期が来たと思われます。
稼働率の悪いスペースを常に契約しておくよりも、タイムシェアした方が安く済みます。
タイムシェア型のビジネスは、日本ではまだまだ未発達だと思います。
さらに伸びる余地が十分にあるでしょう。
これは大規模なビルだけでなく、小規模なビル、空き家などでも応用していけるのではないでしょうか?
日本の大都市でも、かなりの空き室、空き家があるので、タイムシェアできるようすればどうでしょう。
問題は、利用してくれる人をいかに確保するかですが・・・

以下、日経新聞の記事より引用
住友不動産、貸し会議室を倍増 4年間で売上高100億円目指す
 住友不動産は貸し会議室やイベントホール事業を強化する。企業が業績悪化を背景に、会議室などのスペースをなくし必要な時だけレンタルする動きが増えており、需要拡大が見込めると判断した。今後、同社が開発するオフィスビルなどにフロアを確保、拠点数を4年間で現在の約2倍の27とし、年間売上高を3倍の100億円に拡大する計画だ。
 不動産業界で貸し会議室事業を本格的に手掛けるのは珍しい。2008年に専門会社を設立、自社の開発物件で会議室用などに貸しフロア約1万4000平方メートルを確保、事業を展開してきた。平均稼働率80%を維持、今後も需要拡大が見込めるため運用フロア面積も3倍強の4万6000平方メートルに増やす。

リンガーハット、最終赤字25億円に。割引券廃止が影響?

長崎ちゃんぽんのお店、リンガーハットの2009年2月期連結最終損益が25億円赤字になったそうです。
当初は15億円の赤字を予想していましたが、客足が伸びず、既存店売上が予想より悪かったのが原因らしいです。
客足が伸びなかった理由は、消費の低迷、および割引券の廃止だったとか。
飲食店ではよく配られる商品割引券、割引するだけに利益を圧迫し、リンガーハットは昨年9月に廃止をしました。
ところが、これにより客足が遠のき、売上が下がったとのこと。
商品割引券は、消費者にとってはメリットが大きいです。
あれば、期限内に使おうかと思って、またお店に行きます。
餃子の王将なんか、お客を呼び込むきっかけとして割引券を使っています。
街頭でわざわざ割引券を配っている大手飲食チェーンはあまり見ません。
リンガーハットは努力が足りないような気がします。
割引券を発行しなかったら客が来ないのでは、もともとその商品に魅力がなかったということです。
個人的には長崎ちゃんぽんが好きなので、なんとか立ち直ってほしいのですが・・・

REITのメリットってなんだろう??

REITに投資するメリットってなんでしょうか?
簡単にまとめてみました。

1.少額な資金で簡単に不動産投資ができる

 通常、不動産に投資する場合、ある程度不動産に関する知識が必要です。
それに対してREITであれば不動産の運用を指示したりトラブル処理を行ったりという実務はすべておまかせで済みます。
そして何より、少額の資金で不動産投資ができるのです。
REITの所有する物件は、日本でも超一等地の物件ばかり。
通常は個人が投資できる資産ではないのですが、REITを通じて投資できます。
そのような一等地の資産、数十物件に分散投資できます。

2.流動性と換金性が高い

 不動産の最大の弱点は流動性と換金性が低いこと。
不動産をお金に換えるのは簡単ではありません。売りたい時にすぐに買主が見つかるというものではないのです。
 それに対しREITは、証券市場に上場されており流動性、換金性が極めて高いのです。
証券化し、上場することにより不動産投資の弱点を補っています。

3.安定した配当を期待できる

 REITは不動産を長期保有することを前提としており、賃料収入を得ることを目的としています。
不動産価格が低くなったからといっても、賃料はすぐには下がりません。
賃料収入という土台があり、常に安定した配当が期待できます。

主に大きな3点を挙げました。
他にも専門家による適切なマネジメントが行なわれているとか、投資法人債の発行などによりレバレッジ効果が期待できるなどもメリットと言えるとは思うのですが、専門的な説明が必要になるので割愛します。

そもそもREIT自体は長期投資のスタンスです。
REITを購入する投資家も長期投資のスタンスで投資すべきではないかと思います。
REITの成長は、本来ゆっくりしているものです。
不動産の収益性を上げる努力、資産価値を落とさないためのマネジメントは、日々取り組まれており、結果が出るのには時間がかかります。

これまでは、新たな不動産に投資し、所有物件、資産総額を膨らませる外部成長に注力していましたが、こういう時期だからこそ、日々のマネジメントにより賃料収入を上げる内部成長を目指すべきであり、REITは日々そういう努力をしています。
いずれ、まともなマネジメントをしているREITは結果を出してくれるはずです。

阪神間での大型商業施設店舗面積が拡大!

ここ数年、阪神間でも大型商業施設のオープンが続いてきました。
例を挙げると、
ららぽーと甲子園 2004年11月25日オープン 店舗面積46,298㎡ 店舗数170 駐車場約3,000台
イオンモール神戸北  2006年11月18日オープン 店舗面積60,516㎡ 店舗数165 駐車場約4,000台
神戸三田プレミアム・アウトレット 2007年7月6日オープン 店舗面積19,100㎡ 店舗数87 駐車場2,200台
西宮ガーデンズ 2008年11月26日オープン 店舗面積71,030㎡ 店舗数268 駐車場約3,000台
ほかにも小さいですが、阪神西宮駅のエビスタ西宮(2003年オープン・店舗面積約8,500㎡)もあります。
なかでも西宮ガーデンズの規模は群を抜いていて、オープン以来順調に顧客を集めているようです。
それに対抗してか、各施設が次々と増床しています。
ららぽーと甲子園では、この3月27日、店舗面積約6,000㎡増床しキッザニア関西がオープンします。
阪神間のアウトレットモールでいちはやくオープンしていた、三井アウトレットパーク マリンピア神戸は3回目の増床。
増床面積9,940㎡、店舗数38店舗を拡張。
3月18日に新館をオープンさせます。
これで、店舗面積は22,750㎡、店舗数133店舗、駐車場約2,500台となります。
そして神戸三田プレミアム・アウトレットも拡張工事に着手すると発表されました。
店舗面積を約16,400㎡広げて約35,500㎡、店舗数も約70店舗増やし約160店舗に。
オープンは今年末を予定しているようです。
倍近い拡張。
これは予定通りだったのでしょうか。
これらの大型商業施設の商圏を考えると、重なる部分が多いと思われ明らかにオーバーストア気味です。
店舗を引っ張ってくるのも、顧客を継続的に呼び込むのも大変です。
何より、この景気悪化により、消費者の家計が厳しくなり、消費が後退しています。
競争が激化し、これらの大型商業施設も、勝ち組と負け組に分けられる日が近いのではないかと予測しています。

ホームセンター業界はオーバーストア!大証二部ナカイのTOB

各業界のオーバーストア化は顕著になってきています。
そんな中、赤字経営で時価総額が5億未満で上場廃止基準に抵触し、上場廃止猶予期間中となっていた徳島のホームセンター、ナカイにドラッグストア経営のアクサスがTOBを実施します。
ナカイは、以前は関西圏にも店舗を出していたはずですが、いつの間にか四国以外をすべて撤退させたようです。
現在は地元の徳島以外は香川にしかないようです。
TOBを実施するアクサスは同じ徳島の企業で、ドラッグストア、生活雑貨、スポーツ用品などいろいろな販売店舗を展開している企業です。
ナカイをTOBによって支配下に置くことは、同じような品物を扱っているということを考えるとメリットがあると判断したのでしょう。
近年、業界はオーバーストアぎみ。
とくにホームセンターはかなり多く、すでに多くの企業が撤退しています。
ナカイもその流れに抗えなかったようです。
TOBの取得額は最大3億7400万円。
買い付け期間は2月17日から3月17日まで。

そごう心斎橋本店の売却、370億円強で合意

大阪のそごう心斎橋本店の売却価格が合意に達したもようです。
売却先は、J・フロントリテイリング、大丸と松坂屋を傘下に持つ百貨店グループです。
売却合意額は370億円強。
これにより、そごう心斎橋本店と隣接する大丸と合わせて、売り場面積が78000㎡。
大阪の百貨店競争は過激になるばかり。
客もいないのに、売り場面積だけが大きくなっていきます。
百貨店業界の総売上がコンビニ業界に抜かれ、落ち込む一方のなか、大阪では出店、増床ラッシュ。
このままいくと、さらに競争がひどくなり、いずれ脱落するところもでるでしょう。
そうなると、5万㎡以上の店舗ばかりなのに、どうなるのでしょうか?
大阪の景気は最悪のまま。
リーマンショック前の好景気のなかでも、大阪の景気は悪いままだったので、消費者にはお金がない状態です。
百貨店よりむしろ安売りの大型店舗がほしいぐらいなのではないでしょうか?