大家さんの資金繰り

賃貸マンション、オフィスビルなどを経営しておられる大家さんより、
ローン返済のこと、資金繰りのことについて相談を受ける機会が
大変多くなりました。
相談に来社される皆さんの経営状況などを伺うと、だいたい同じような傾向にあります。
まず建設時、
住宅メーカー、建設会社、工務店の作成した事業計画、収支計画をもとに
資金の大半を長期のローンで調達、建設します。
竣工時、
竣工まもなくに入居が始まり、まずますのすべりだし。
3年~5年経過、
新築時の入居者が退去。
次の入居者を募集するのに、不動産業者からは早くも家賃の値下げを
提案され、しぶしぶ値下げ。
この時点で当初の収支計画どおりにいかなくなってます。
10年経過、
修繕費用等で何かと出費がかさみますが、家賃を値上げすることはできません。
外壁や屋上の防水工事、鉄部塗装など大規模な修繕も必要になります。
ここで資金繰りが厳しくなり、今までの収益で積み立てた蓄えも大半使って
しまいます。
そして20年経過、
空室の長期化や家賃の値下げで資金繰りが厳しい日々。
いよいよ大規模修繕の費用が無くなってきました。
ここからは蓄えでまかなえず、ローンが残っているのにさらに借りないと
大規模修繕すらできません。
この20年目以降のお客様が私のところに相談にいらっしゃるわけです。
不動産経営者は、個人事業で行われている方が多く、皆さん、帳簿の記帳とかを税理士さんに任せている方ばかり。
ご自分の不動産経営の状況を漠然としか把握しておらず、詳細な数字での把握が苦手な方が多いようです。
今月の家賃収入はいくらで、支払いがいくらだから、残りのお金は家計に。
これが将来の資金繰り悪化をもたらしていると私は考えます。
家計と不動産経営の線引きが最も大切なのです。
さらに1年ごとに収支計画を見直すことも必要です。
不動産経営も立派なビジネスであり、大家さんは経営者だという意識。
それを忘れてはなりません。

菊池 英司
不動産コンサルタント、FPとして主に個別相談、セミナー講師を中心に活動中。 住宅の購入サポート、住宅ローン相談を中心に、個人の所有する不動産、住宅に関するサービスを提供している。空家管理業務を2008年から開始し、早くから空家問題に取り組んでいる。

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