神戸市のFP、BLPファイナンシャルプランナーズの菊池です。
ごく最近のことですが、お客様からこのような質問がありました。
「家を買うのは不動産投資といっしょですよね? 本に書いてありました。」
家を購入する場合、いくらで貸せるのかを調べて、より有利な条件で貸せる物件を購入すべき、不動産投資と同じ考え方で家を選ぶべきだ。
そう書かれた本を読まれたようです。
家を購入して、転売し利益を上げること、賃貸に出して収益を上げること、を考えているのであれば、それは不動産投資でしょう。
しかし、多くの方は、その地に長く住むことを希望しているからこそ、家を購入されるのではないでしょうか?
売るとか、貸すとかを前提に評価していても、実際に売ったり貸したりする必要がないのであれば、深く考える必要はありません。
私はそうアドバイスしております。
そもそも、将来、売却する予定があるとか、2~3年内に転勤があるかもしれない、という方は家を購入すべきではありません。
売却しやすい物件、貸しやすい物件を選ぶのであれば、駅に近い物件となり、購入価格も高くなります。
初期投資が大きくなるものの、売却するときには、やはり含み損が出てしまいます。
条件の良い物件は高い買い物になりますが、中古市場では思ったほど価格が伸びないのです。
賃貸においても、賃貸市場は少しずつ悪化しています。
その背景には少子高齢化、住宅が過剰に供給されていることがあります。
今、賃貸に出せる金額が、その後10年後、20年後も同様ではなく、次々に新築物件が供給されている以上、
賃料は下がる一方です。
新築で住宅を買うのであれば、結局のところ、不動産投資としては成立しません。
中古であればまだ可能性がありますが、そんなに簡単に良い物件を取得することはできません。
自分が住む家を買うのに、不動産投資と同じように考えるのはあまりお勧めできません。
自分たち家族が住みたい、と思ったところに、自分たち家族が本当に気に入った家を購入する。
そして、そこにできるだけ長く住む。
そう単純に考えてみてはいかがでしょうか。
真剣に検討するのは、資産価値よりも、そこに長く住めるかどうかです。
自分たち家族が住みやすい街、住み心地の良い家であれば、他の人も同じように感じるのでは?
家の取引価格は需要と供給のバランスで決まります。
他の人に、あの街が気に入った、あの家に住みたい、あの家がほしい、
と思われれば、その家の資産価値が高くなるのです。
まずは自分たち家族が満足できる環境、満足できる家を購入することが重要です。
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