神戸市の不動産コンサルタント、BLPの菊池です。
先日、住宅購入前のご相談にいらっしゃったお客様より、
「不動産業者から紹介されたのですが、この物件はどうでしょうか?」
との依頼があり、神戸市のある土地の資料を見せていただきました。
その土地がなぜ売れずに残っているのか?
地図を見て、すぐにわかりました
こういう案件を2ヶ月ほど前に取引したばかりだったことと、似たような条件の物件を管理しているからです。
相談者の検討していたこの土地は、山すそに開発された分譲地の一画にあります。
閑静な住宅地で、眺望もある一昔前の高級分譲地です。
目の前には大きな高級分譲マンションが建ち、分譲地の大半の区画はすでに売れて家が建っています。
でも・・・
この土地と隣接する数区画だけが残っているのです。
理由は、土砂災害防止法の土砂災害警戒区域に指定されているからです。
その名のとおり、土砂災害の恐れがある区域のことで、急傾斜地の崩壊や土石流発生の恐れがある土地が指定されています。
実は、この土地の向いにある高級分譲マンションの裏山が、広い範囲で急傾斜地になっていたのです。
調べてみると、売れ残っている区画はすべて土砂災害区域内です。
同じ分譲地でも、土砂災害警戒区域に入っていない区画は売却済みでした。
土砂災害警戒区域内かどうかは、市役所で調べることができます。
兵庫県の場合、ハザードマップをネットで公開しているので、そちらでもわかります。
防災意識が高まり、ハザードマップなどネット上での情報公開が進んだこと、
宅地建物取引業法にて不動産業者が行う重要事項説明書で説明するべき重要事項であること、
などの理由から、売れ残る結果となったのでしょう。
家を買うとき、収益物件に投資するとき、いずれのケースでも、検討段階でハザードマップを調査することは必須ですね。
P.S.
この分譲地は10年以上前に分譲されています。
その頃には、土砂災害防止法が施行されていませんでした。(平成13年4月施行)
また、兵庫県がこの土地を土砂災害警戒区域を指定したのは、平成19年のことでした。
不動産の価値は、こういった新しい法の整備、法改正などで著しく損なわれることがあります。
こういう法的リスクがあることも不動産に投資される方、家を買おうという方には知っておいていただきたいと思います。
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