土地から文化財が発見されるというリスク

近所のマンション建設予定地で土木工事が始まりました。
しばらくすると、掘った土を敷地内にひたすら積み上げ、かなり大きな山を作っていました。
おかしいなぁ、と思って囲いの中をのぞいたら、発掘調査を行っていました。
このあたりは、埋蔵文化財包蔵地だったようです。
埋蔵文化財包蔵地とは、土の中に集落跡や城跡など、遺跡が埋まっている可能性の高い土地のことです。
所有地が埋蔵文化財包蔵地内にある場合、家を建てるときなど、思いがけない負担が発生することがあるので、注意が必要です。
工事着工前には届出が必要です。

届出があると、発掘調査が必要かどうか、役所で検討されます。
役所の担当者が現地で試掘に立ち合い、必要があれば本格的な発掘調査を指示します。
ご近所のマンション建設予定地は、まさにこの発掘調査をしているわけです。
この発掘調査費用は、事業者負担です。
つまり、事業を行う土地所有者が費用を負担しなければなりません。
土地所有者には大きな痛手です。

個人住宅の場合

個人が家を建てる場合はどうでしょうか?
個人住宅の場合、発掘調査になることはまれです。
地面を深く掘らないからです。
埋蔵文化財は古い地層にあり、あまり地表に近いところにはないため、埋蔵文化財を壊すことはないので発掘調査は不要なのです。
ただし、埋蔵文化財がかなり浅い位置にある場合と、地下を造るために深く掘る必要がある場合などは発掘調査になることもあり得ます。
発掘調査になった場合、費用は家を建築する土地所有者の負担です。
予定外の費用負担が必要になるかもしれません。
個人が住宅を建てるために発掘調査費用を負担するのは、事業者が建築する場合とは事情が異なります。
そのため、発掘調査費用についての補助金がある自治体が多く、多額の費用負担になることはないようです。

発掘調査になってしまった場合、工期が遅れるという問題があります。
発掘調査の期間中は工事をすることはできません。
お子さんの就学時期や新学期に合わせて家を新築する場合などに問題になります。

土地を購入する場合、不動産業者が重要事項説明で、埋蔵文化財の包蔵地かどうかを説明してくれます。
もし埋蔵文化財包蔵地に該当する場合、不動産業者に、近隣で過去に発掘調査を行っている場所がないか、役所でヒアリングしてもらうとよいでしょう。
過去に近隣で発掘調査を行っていた場合、どのくらいの深さまで掘ると発掘調査が必要なのか、などの情報を得ることができます。
設計や工法の変更、建築時期の変更など、前もって対応をすることができるはずです。
菊池 英司
不動産コンサルタント、FPとして主に個別相談、セミナー講師を中心に活動中。 住宅の購入サポート、住宅ローン相談を中心に、個人の所有する不動産、住宅に関するサービスを提供している。空家管理業務を2008年から開始し、早くから空家問題に取り組んでいる。