かんぽの宿の入札先が明らかになりましたが・・・

鳩山邦夫総務相がこだわる日本郵政のかんぽの宿入札。
入札参加企業が明らかになりました。
日経新聞の記事によると以下のとおり
<最終通過>
オリックス不動産
<最終入札で落選>
ホテルマネージメントインターナショナル
<一次入札を通過、最終入札を辞退>
住友不動産
<一次入札で落選>
ゴールドマン・サックス証券
大和証券SMBCプリンシパル・インベストメンツ
東京建物
星野リゾート
<一次入札を辞退>
エートス・ジャパン
大江戸温泉物語
オークツリー アジア リアルエステート オポチュニティ ファンド
ケン不動産リース
コロニー・キャピタル・アジア
日興プリンシパル・インベストメンツ
バブコック・アンド・ブラウン
みずほキャピタルパートナーズ
三井不動産
森トラスト
ルートインジャパン
AIGグローバル・リアルエステート・アジアパシフィック・インク
CVCアジア・パシフィック
GICリアルエステート・インターナショナル・ジャパン
TPGキャピタル
以上の各社が入札に関係した会社とのこと。
先日、週刊新潮にて、うちは400億円で札を入れるつもりだったと言った、大阪市西区の不動産会社、日本リライアンスなる会社は入札前の審査で落選していたのか、名前が挙がっていないようです。
これらの会社名を見てみるとわかるように、錚錚たるメンバーです。
この中で、大阪の小さな不動産会社が一緒に入札ということがちょっと疑わしいような・・・
大手不動産会社と組んで入札したそうですが、これらの会社とつりあうような会社が大阪の一不動産業者と組むことはほとんどありえないと思いますが。
入札前に相手を見て落としたのかもしれませんね。
いきなり400億円もの札を入れられたら入札妨害もいいところですし。
他の会社はちゃんと事業評価も不動産評価もしっかりとこなせる体制も経験も持っています。
適当に値段を付ける会社が入っては、公平な入札になりません。
落札したあとに、実は決済できません、なんてことになると入札を仕切る側もはずかしいです。
そりゃ、真っ先にお帰りいただくと思います。
日本リライアンスには組んでいた会社名を公表してほしいものです。
でないと、私のような感想を持つ人に、うさんくさい会社であると思われてしまいます。
少なくとも、記事にした週刊新潮にはその責任があります。
そもそも、社名を出せないような状態で記事にするのはおかしいのでは。
それを読んだ何も知らない人には、400億ぐらいの価値があるのかと思ってしまいます。
私個人の見解ですが、かんぽの宿のバルクセールは特に問題は無いと思います。
そもそも赤字を垂れ流すような状態で、雇用も維持しないといけない条件付ですから、とんでもないお荷物事業です。
価値はあまり無いです。
ホテル経営の能力を持ち、何年かの再生期間中の赤字に対して、十分に耐えうる財力が必要です。
何しろ、簡単に事業を辞めて、不動産として売却することができそうにないのですから。
当分、事業を続けることに問題があります。
地方の物件は、事業を続けても客が来ないうえに、立地条件が悪く、不動産の価値も無いと見ていいでしょう。
誰が客も来ない、マーケティングを無視して、地元の一部の利権のために誘致されたかのような立地にある物件を買いますか?
それが率直な感想です。
今のご時世では、まともな評価なら、100億以上も付けないです。
こんな値段を付けてオリックスは何を考えているのか?
さっさとホテルから撤退して、不動産を売却するのか?
とりあえず、社員にしてしまえば、他の部署に無理やり異動させて、雇用維持の約束は守ったと言うつもりなのだろうか?
そう思いました。
実際、どこも金融危機のため資金繰りは楽ではないのです。
バルク処分なので、いらないお荷物物件と優良資産を均していくら、という評価ですから、優良資産が低く評価されているかの感はあります。
しかし、どうしようもないお荷物を抱き合わせで処分するのですから、当然なのです。
鳩山総務相の言いたいことはわかるのですが、そもそもどうしようもない開発をしてきた、郵政民営化前の体制が問題です。
国民から集めた金の使い方を誤ったことが問題です。
責めるなら、どうしようもない物件を開発した当時の、そこに誘致した人間、それで儲けた人間を探し出して追求してほしいのです。
必ず利権がらみの動きがあったはずです。
大事なのは、そこです。
国民から集めた金を使って、儲けていた人間、その会社を追求すべきです。
かんぽの宿の赤字物件を作ってきた人たちの責任問題です。
高く売れないような事業、物件を作ってきた人間は、今、追及もされずに優雅に暮らしているのかもしれません。
週刊新潮やその他マスコミも、そういうところをしっかりと記事にしてほしいものですが、何故かあまりそういう話題に触れていません。
そこには、政治的圧力、タブーがあるのでしょうか?
不思議でなりません。

菊池 英司
不動産コンサルタント、FPとして主に個別相談、セミナー講師を中心に活動中。 住宅の購入サポート、住宅ローン相談を中心に、個人の所有する不動産、住宅に関するサービスを提供している。空家管理業務を2009年から開始し、早くから空家問題に取り組んでいる。

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