先日、不動産仲介業者の方と、神戸市内の物件売却のことで打ち合わせをさせていただいた時の話です。
その業者さんは、中古マンションや中古住宅の仲介を得意としていて、私が買取転売業者で仕入をしていたときからのお付き合いです。
最近の中古マンションはどう?売れてるの?
そういう話になりました。
回答は、
「今のお客さんはようわからん」
そういうボヤキでした。
話を聞いてみると、こういうことです。
中古マンションを探していると言われて、多くの物件を案内したが、ある日、新築のマンションを購入することに決めたから、もう物件の紹介はいい、そう言われてしまったそうです。
それも、探していたエリアから離れた場所で、予算よりも1000万円以上も高い新築物件だったようです。
確かに、私が住宅購入の相談を受けたお客様でも同様のことがありました。
駅、校区、予算も決め、中古の一戸建を探したいという方で、私はその予算で買える可能性は極めて低い、中古マンションを検討してはどうか、そうアドバイスしたのです。
すると、マンションは絶対いやだ、そう強く否定されました。
じゃあ、じっくり時間をかけて売り物件が出てくるのを待つしかありませんよ、そうお話したところ、その場は納得して帰られたのです。
わずか1週間後、駅前で中古マンションを購入することにした、重要事項説明書と契約書のチェックをお願いしたいと連絡がありました。
不動産業者に行ったら、その物件が売りに出たばかりで希少物件だと強く勧められたみたいです。
確かにいい物件です、価格も安い。
でも、こだわっていた学校区はちがうし、そもそもマンションは嫌だって言っていたはずでは・・・
売りに出たばかり、希少物件、割安、いろいろなキーワードを盛り込んだセールストークが響いたようです。
結局、不動産業者の営業マンのトークが上手だったんですね。
家を買うとき、何から始めたらよいのかわかっていない方は、とりあえず近くの新築マンションのモデルルームを見に行ったりします。
そこで販売員の言葉を聞いて、思わず衝動買いする、こういうパターンも多いです。
住宅購入を検討する前には、必ず自分たちの要望をまとめましょう。
ちゃんと紙に書き、優先順位を付けておきます。
中古なのか新築なのか、戸建住宅なのかマンションなのか、立地優先なのか価格優先なのか、決めておくことはたくさんあります。
もちろん資金計画も重要です。
ライフプランを作り、住宅ローンにどれだけ耐えられるのか。
自らをよく分析しないと、結果的に住宅ローンを払えなくなり、家を失うことになります。
せめて、戸建住宅とマンションのどちらを買うのか、
それぐらいは明確にして物件を探さないと、いつまで経っても住宅を購入することはできません。