国土交通省は、二地域居住を推進するために新制度を導入する方針のようです。以前から、国土交通省では二地域居住を促進するために議論を重ねていましたので、その内容がある程度まとまったということでしょう。
新設する制度では、地方にコワーキングスペースやシェアオフィスなどを整備する際、自治体が補助金等を受けやすくするなどの施策が盛り込まれているようです。大都市に住みつつ、仕事をしに地方に行きしばらく滞在するような感じですね。
そもそも、二地域居住を促す理由はなんでしょうか?東京一極集中を緩和し、地方へと人の流れをつくることで、東京一極集中の弊害である、都市の混雑緩和が期待できることや、地方に人を呼び込み活気を作ることが考えられます。
東京一極集中は止まることはありません。若い層が東京に行き、地元に戻らないことが大きな原因です。東京にはあらゆるモノ、サービスが集まっていて魅力的です。子供たちは小さい頃から東京へ行く願望を持つことでしょう。
東京を主な生活拠点をしながらも、ときどき地方に生活しに行く、二地域居住を推進するという選択肢が勧めやすい、そういう思想が根底にあるのかもしれません。
二地域居住を推進する国土交通省の官僚たちも東京から出たくないでしょう。意見等を聞くために集められる識者の皆さんも東京在住の方ばかりで本音は東京での生活が一番良いと思っていることでしょう。ときどき仕事をしに行くくらいならやってもいいかな、そういう思いがあるのではないでしょうか?
地方の自治体としては、仕事を自然豊かな田舎で集中してできますよ、お試しでもいいので来てください。そういう考えですかね。知ってもらうチャンスであるのは間違いありません。
実際に制度ができたら利用する自治体は多いとは思います。これが、定住につながり、子供を産み、育て、人口が増えるところまで行けば成功ですが、誰もそこまでできるとは思っていないことでしょう。しかし、何もやらなければ変わらず衰退し続けるのみ。どんな方法でもいいのでやらざるを得ません。
実際、二地域居住が広まるのは難しいでしょう。大都市、特に東京の方が仕事をするうえでも便利です。これを言っては身も蓋もありませんが、私も多地域居住を支持する側ですから、とりあえず制度ができたら地方の自治体を応援し、見守りたいと思います。
以下、2024年01月26日 時事ドットコムの記事 引用
国土交通省は、都市と地方の双方に生活拠点を持つ「二地域居住」の推進に向け、新たな制度を創設する方針を固めた。都市に住む人が二地域居住を始めやすくなるよう、計画を作成して住居や職場環境を整備する地方自治体への財政支援が柱。同省は26日召集の通常国会に新制度を盛り込んだ関連法改正案を提出、成立を目指す。
人口減少に歯止めがかからず、東京一極集中も加速する中、地方側の受け入れ環境を整えることで、地方への人の流れを拡大し、地域の担い手確保や雇用創出につなげたい考えだ。
時事ドットコム https://www.jiji.com/jc/article?k=2024012500942&g=pol
同省が改正を目指すのは、人の往来を通じた地域活性化を目的とした「広域的地域活性化基盤整備法」で、インフラや施設を整備する自治体に対する財政支援などを定めている。改正案には、二地域居住者の受け入れ施設の整備を含めた促進計画を自治体が作成できる仕組みを導入。同計画を作成する自治体には、国の補助金や交付金が採択されやすくなるようにする。
二地域居住者には、都市部に住居がありつつ、地方で住宅や仕事場を確保するケースも多い。新制度では、都市と比べ賃貸住宅が少ない地方でのシェアハウスや公営住宅に加え、テレワーク用のコワーキングスペースやシェアオフィスなどの整備を促す。住宅や仕事場として空き家が活用されることも想定し、迅速に手続きできるよう規制緩和する。
改正案には、地方で新たに住居や仕事を確保したり、地域住民と交流したりする二地域居住者を支援する事業者やNPOなどを自治体が指定できる枠組みも盛り込む。こうした団体と自治体が情報共有することで、居住者への支援強化を図る。