アスベストについて問題になってからけっこう時間が経過しました。
今では、古い建築物の取引をする時には、調査が欠かせません。
アスベストを扱っていた工場で働いていた人、その近所に住んでいた人たちに悪性中皮腫などの疾病が発症し問題になったことで、日本中に知れ渡るようになりました。
アスベストによる人体への影響については、その潜伏期間が平均40年と長く、その因果関係が証明しにくいことがあり、国の対応が遅れてしまいました。
アスベストは建築物に多く使用されており、吹き付け材、鉄骨の耐火被覆などで使用されていた場合には、除去が必要になります。
アスベストは飛散することで人体に入ります。
そのため、飛散防止処置を行うか、除去を行い対策を施します。
建築物では成形板として固めて使う場合もあり、解体時に気をつけて扱えば飛散しないので、この場合は安全です。
古い建物を購入する場合、特に鉄骨造の場合には、このアスベストによる耐火被覆は無いか調べてから購入しなくてはなりません。
最近では、アスベストの有無を調査してくれる会社が多くなったので、ネットで調べて業者に見てもらえばいいでしょう。
人体への影響も心配ですが、その除去費用が高額なため、解体時に思わぬ出費になることもあります。
以前、昭和40年代の賃貸アパートを売却するサポートをしましたが、やはりアスベストが問題になり、買主は購入前に独自に調査を行いました。
調査費用はどちらが持つかという問題もありますが、買主は自分の費用で自分の指定する業者で調査させる方が良いと思います。
信頼できる調査をするためです。
平成に入ってから建築された築20年以内の建物を購入する場合には、アスベストが飛散するような使用はされていないと思うので、物件を選ぶひとつの基準とすると良いでしょう。