日本郵政不動産の誕生でわかること

2018年4月2日に日本郵政不動産が設立されます。その名のとおり、日本郵政グループの不動産部門です。このことから、日本郵政が不動産開発に注力していくであろうことがわかります。本業だけでなく、不動産でも安定収入を得たいと考えているからこそです。

日本郵政のニュースリリース

民営化以降、日本郵政は不動産投資に積極的です。理由は、大都市の一等地に大きな土地を所有していながら、中層で古い郵便局として低利用であったことが挙げられます。東京や名古屋などで高層ビルに建て替えたのですが、大阪中央郵便局は計画がとん挫し、今も暫定的な利用しかできていません。大阪の中心、大阪駅前だけに、どのように開発するのか注目されています。

日本郵政は、もともと不動産開発ノウハウに乏しい会社です。そう簡単には次々と開発できないというのが現状でしょう。一度は野村不動産を買収しようとしましたが、うまくいかず断念。結果的に今回の日本郵政不動産設立につながったと思われます。ただし、会社を設立したからと言って、日本全国にたくさん保有する不動産の開発が進むわけではありません。自社でできる範囲は能力的に限られ、他社との共同事業という形で、不動産開発に長けたプレーヤーの力を借りざるを得ないでしょう。

先日、高層マンションの購入を検討されている相談者様よりあるご質問がありました。検討しているマンションの南側にある駐車場が、将来、マンションになったら日当たりが悪くなるのだが、その可能性はあるのだろうか、という内容です。不動産会社の営業担当者は、日本郵政が所有している駐車場だから、マンションとかは建たないだろうと説明したようです。日本郵政が所有しているから開発や売却はないという先入観があるようです。こういうセールストークは誤解を生むので危険です。隣地所有者がどうするかは本人でないとわかりません。私は、所有している日本郵政がどうするのかは誰もわからないと断ったうえで、利用状況から考えると、今のまま駐車場として利用し続ける可能性は低いのではないかとお答えしました。

日本郵政が不動産開発に積極的であることは周知の事実。その窓口を設立したのですから、共同事業を提案する不動産会社も多数現れることでしょう。今後は、日本郵政が所有する土地だからこそ開発される可能性が高いと考えるべきでしょう。

菊池 英司
不動産コンサルタント、FPとして主に個別相談、セミナー講師を中心に活動中。 住宅の購入サポート、住宅ローン相談を中心に、個人の所有する不動産、住宅に関するサービスを提供している。空家管理業務を2008年から開始し、早くから空家問題に取り組んでいる。