不動産所有者の義務とリスク

本日、2018年10月1日午後3時半頃、横浜市中区尾上町5丁目のビルの外壁の一部が落下し、歩行者の男性に直撃しました。男性は亡くなりました。
外壁が落下した原因は不明とのことですが、前日の台風24号による影響かもしれません。
これから原因が特定され、所有者と管理者に責任がないか、賠償責任について話し合われることと思います。

今までにも、建築物の外壁が落下する事故が度々起きています。
建築物はメンテナンスフリーではありません。経年劣化により外壁材が落下することは十分考えれます。所有者は日頃から点検、修繕を行う義務があります。
それを怠ったことで事故が起きた場合、被害者への賠償責任に問われます。
事故が起こった場合の賠償責任というリスクがあることを認識している所有者は少ないと思います。

最近では一棟物の収益物件を普通のサラリーマンが購入しています。修繕が必要になっていても費用を負担できないため先延ばしにするなど、点検や修繕が不十分な物件も見受けられます。修繕のために追加投資をする資力のない所有者が量産されています。もしもの時、所有者に賠償する資力があるのかもあやしいです。
せめて施設賠償責任保険に加入していればよいのですが、それすら加入していない所有者が多いのが現状です。

不動産を所有するということは、建物の状態を安全に保つため、定期的に点検を行い、遵法性を維持し、点検結果の行政への報告などしかるべき手続きを行わなければなりません。
それを怠る者には不動産所有者としての資格がありません。
収益物件だけではなく、個人の住宅も同様です。
点検費用や修繕費用など、ランニングコストを支払うことを逃れようとすることは責任を放棄しています。
不動産を所有する方、これから所有しようという方はその責任の重さを十分に認識していただきたいと思います。

いい加減な人が不動産を所有することがないことを強く願います。

菊池 英司
不動産コンサルタント、FPとして主に個別相談、セミナー講師を中心に活動中。 住宅の購入サポート、住宅ローン相談を中心に、個人の所有する不動産、住宅に関するサービスを提供している。空家管理業務を2008年から開始し、早くから空家問題に取り組んでいる。