2021年7月3日午前10時半頃、静岡県熱海市伊豆山地区で大規模な土石流が発生しました。
この時の映像は、被災地の住人等により動画撮影されており、ニュースで流れました。
現代では、皆がスマホを所持し、いつでも動画を撮影できるだけに、土石流の衝撃的な映像を多くの人が目にすることができたと言えます。
土砂災害の中でも、土石流は非常に広い範囲に被害が出ます。
熱海市のハザードマップを確認すると、被害範囲は土砂災害警戒区域に指定されています。
土石流の流れる経路は予想されており、被害範囲はほぼそのとおりとなっています。
ハザードマップを公表しているので、住民の皆さんは土砂災害のリスクを知ることができます。
熱海市は、強い雨が続いたことで、警戒レベル3の「高齢者等避難」を出していました。
土砂災害の危険性が高まっていることも住民の皆さんは知ることができました。
災害リスクを住民の皆さんは十分に知ることができていたはずです。
果たして、この段階でどれだけの住民が避難していたのでしょうか?
もし、私だったらどうだったか。
おそらくは避難指示が出ていないので避難はしていなかったでしょう。
数年に何回か、強い雨が降るたびに、行政の避難情報を確認し、避難するかどうか検討しなければならない。
念のため、避難所に避難する。
そして何も起こらない。
これを繰り返すうちに、今回も大丈夫だろうと思ってしまう。
私だったらそうなると思うのです。
どんなに災害リスクを意識していても、今回も大丈夫だろう、そういう油断が生まれます。
そして、たまたまそのときだけ避難をしなかった、そういうときに災害に巻き込まれてしまうものだと思うのです。
土砂災害警戒区域に住むということは、常に避難情報に注意を払い、油断することなく念のために避難することを繰り返すことです。
そのことを忘れずに対応できる人以外は住むのをやめた方がよいでしょう。
住む家を選ぶ際の大原則は、災害リスクが低く、より安全な土地、より安全な建物を選ぶことです。
もし、あなたが住む場所を探しているのであれば、災害リスクについて考えてみてください。